会長挨拶

東京大学拳法会 会長 伊達 興治 
東京大学拳法会 会長 伊達 興治
私は、このたび、拳法会会長の指名を受けることとなりました。 思うに、私が今日あるのは、かつて東大空手部に在籍することを得たからです。私などは、それまでは、全くの世間知らずの能なしでしかありませんでした。しかるに、空手部に入ってみて、その自由で明るい雰囲気に驚かされました。とりわけ、上級生の洗練された優しさに感銘を受けました。勿論、日々の練習は厳しいものでした。私は、駒場寮におりましたから、朝から晩までが空手漬けといってよい状態でした。それでも、上級生や同期生の励ましを糧になんとか駒場の二年間を耐えることができました。 空手部五年間の在籍経験がなかったら、私の人生は、平々凡々で終わっていたと思います。前会長の龍野さんは、空手部に入ったら、「仲間を大切にし、真の友を作れ」と説かれています。確かに、空手部生活に真剣に取り組んできたら、知らず知らずのうちに、なにかが身に付いているのです。それは、言葉では表しようのない、無形の貴重な資質だとでも言ったらよいでしょうか。私の場合は、もうひとつ、おまけがあります。私の岳父は、初代会長の大嶋 仁さんと同期の小山田 昌勝です。空手部との縁がなかったら、妻との邂逅も得られなかったでしょう。 東大空手部および東大拳法会は、歴代会長の太田 義人、石塚 彰、龍野 順久さんを始めとする多くの先輩方の努力の積み重ねの下に、戦後の混乱期を乗り越え、ここまで育てられて来たのです。私たちは、及ばずながらも、これを一層強固なものとして後代に伝えていかなければならないと思うところです。 拳法会として、現役の活動を支援することは、最重要の責務です。私たちOBも、その恩恵を強く受けてきたのですから。ただ、その前提として、拳法会の諸兄が、これまで以上に深く交流することも大切なことです。これまでの拳法総会出席者は、龍野さん、生方さん、針生さんあたりまでの先輩方が主力をなしてきました。しかし、いつまでも、こうした方々に負ぶさっていてはいけません。もっと若い世代のOBに進んで出席してもらい、様々な意見を交わしてもらいたいものです。 渡邉理事長に聞くと、今後、講演会を予定しているとのこと、また、来年の九十周年に向けては、拳法会報用に会員間の座談会を計画しているとのことです。まさに時宜に適した企画ではないかと意を強くします。 会員諸兄の健康と弥栄を祈念します。

拳法会会長 伊達 興治(2014年5月記)